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2016-01-11

コレカラクルーズ朗読公演『十二頭の怒れる獣』感想 ※ネタバレ

コレカラクルーズ朗読劇『十二頭の怒れる獣』

神殺しという大罪を犯した人間を裁くために集められた十二頭の獣。奇しくも集められたのは干支に選ばれた獣たちは陪審員である。
人間に求刑されているのは死刑。それも種族死刑である。神殺し(厳密には神の子ども)を行った人間に死刑が下れば、人間は絶滅するという。
集められたのは獣は、よくわからないけど有罪、早く帰りたいから有罪、状況証拠があるから有罪。立場や考えは違えど、有罪であると主張した。だが、そんな中で無罪を唱える獣がいた。りゅうである。
長命故に様々な種族が種族死刑されたのを目撃した彼は、本当に簡単に有罪にしてしまっていいのか?と疑問を投げかける所から、話し合いは始まる。
証拠や殺意について検証していく中で、今回の件は曖昧な部分があまりにも多い。神の怒りの捌け口としての裁判であったのだ。
最後の最後まで有罪を主張し続けた犬は、昔飼い主に捨てられた個人的な怒りから、人間を種族死刑にすることで復讐しようとしたが、「被告人を裁く場であって元飼い主を裁く場ではない」と諭され無罪へ転じる。

12人の怒れる男や12人の優しい日本人を下敷きにしたオマージュ作品である。
両作品は一度見たことがあるのだが、改めて見直そうと思う。それはさておき。
陪審員制度は良いのか悪いのかは、やはり判断はつかない。ただ、今回の舞台を見ていると求刑は知らない方がいいのかもしれない。それは判断を鈍らせることになるのだろう。それは犬が見せた復讐心が良い例である。だが考え方を変えると、種族死刑だからこそ慎重になるべきだというりゅうやいのししがいるのも事実。なんとも言い難い。
実際の陪審員制度はどうなっているのかは弁護士の先生にでも聴くとして。あとは陪審員の匿名性は引き上げるべきなのだろう。それはネズミが語ったエピソードにある。陪審員経験があるネズミは過去に無罪にしたことがある。結果、被害者遺族が被疑者を殺害。加えてネズミの仲間も殺されてしまったのを目撃している。報復に怯えるあまりに、有罪にしたのである。今回は種族死刑なので有罪になったとしても人間から報復を受けることがない。という判断だ。これも裁く者としては、あまりにも不適格な状態である。
裁判でさえも出来レースのような様相だったことが感じ取れる発言は散見されたし、ひつじは係員に自分では考えきれないから不安であると伝えたが、適当にやっておけばいいと言われたそうだ。言い換えると、偉い人の機嫌をとるために……たとえば政治家だったり高級官僚の機嫌をとるために、裁判さえも公平性を失われかねないと示唆している。けれど、今回の話では陪審員制度によって暴走を食い止めることが出来た。

つまり、陪審員は高潔であれ!というメッセージが込められていたのだろう。

以下、登場獣や役者さんについての考察と感想。
前提条件として役者さんの年齢はわからない。

ねずみ(菊池紗都)
陪審員長で陪審員経験者。前述の通り、報復に怯えて有罪を主張していた。群れで暮らすことがないらしく、生きるためなら何でもやるというのが唯一のルールという。だからこそ、生き残るために報復の危険の芽を潰すのはねずみなりのルールを遵守した結果だろう。
ぶるぶると震えながら誤魔化しながら、演じている姿はよかった。姿格好からねずみの性別は判断がつかなかったが、中年に差し掛かった気の弱い男性として捉えていたのだが、これは役者さん的にどうなんだろうね。

うし(西部さやか)
すごくおばちゃん。若干のデリカシーの無さやあんまりものを考えていない感じが、いるいるこういう人と一発でキャラが落ちてきた。
見せ場らしい見せ場はないのだが、やはり子どもがいるということもあって、最後の最後に犬に対して優しい言葉をかけたシーンは母の偉大さを感じた。

とら(志水由佳)
おそらくは少年なのだろう。動物園からやってきた、という所に野生ではないというコンプレックスを抱えている。
気の弱かった極度のあがり症の神の子の気持ちを一番理解していたのは彼ではないだろうか。自殺と結論付けられた際も悲しみながら憤りを感じていたのは印象的である。

うさぎ(内田早紀)
そこそこの年齢のバツイチのお母さん。ヤンキー的な部分を感じた。態度は悪いし、早く帰りたがる発言ばかりしていた。自分の子どもを迎えに行かないといけない気持ちもあるのだが、少々自己中心的な発言が多い。
ヘビの牙の短さに気づくなど、話の流れを変え始めたのは彼女がきっかけであった。
余談だが、すげー足とか長くてモデルさんみたいだった。という劇には関係のない感想。

りゅう(梅田祥平)
長命なりゅう族の青年っぽい。今回の話は彼から始まる。求刑を知っていたからこそ、改めて事件を見直そうとした。これは与えられた情報を正しく利用した人物である。対極にいるのが犬。あるいはねずみである。
ねずみが陪審員長であるはずなのに、割と彼が話を回していた気がする。
長命な種族ということもあって、頭もいいのだろう。

へび(高橋由貴奈)
冬眠中を叩き起こされたので、会議中もよく寝ていた。キチンと起きていたならばしっかりしているような気がするが、基本的にはのんびり屋。
殺害の前段階に使われたマムシについて解説したのは彼女もマムシだったから。
りゅうに口を開けてくださいと言われて、こっちがぞっとするぐらいの素のトーンで変態なの?と言ったのはインパクトが強かった。
りゅうも爬虫類っほいといえばっぽいので、身の危険でも感じたのだろうか。

うま(牟田朱梨沙)
キャリアウーマンな女性。おばさんと言われて怒るぐらいの微妙なお年頃の様子。サラブレッドであるためプライドが高いらしいが、思い込んだら一直線で思いの外馬鹿なのではないだろうか。
論理的に話しているつもりなのだが、基本的には資料しか読んでない。ただ、審議に関しては私怨などはなくデジタルを貫いた。
演じているのが牟田ちゃんなのでウマなのかなって。キャリアウーマンなのも、ウーマ……馬。みたいな。馬鹿っぽいのも馬だから……
そんな気がしている。
個人的には昨年の11月から牟田ちゃんのファンなのだが、彼女を見ていると役者という生き物は面白いと思い始めた。やはり化けるね。すごい。

ひつじ(桜良苺)
うさぎの後輩なのでそこそこの年か。
自身を馬鹿だと言いつつも、オタサーの姫のような振る舞いや裁判の様子を細かく覚えていたりなど実は有能なのがうかがえる。こうなると、じつは腹黒じゃないかと思われる。
常識もあるようで、最初はうさぎと同じにすると思考を放棄していたが、証拠の精査の中で無罪に転じた。

さる(久木田かなこ)
口の悪い関西のさる。
厨二病全開のとりに対してツッコミながらどつく。これが殺意の立証を難しくする結果となった。
頭も悪くない。様々な種族の言葉を聞き取れるりゅう族が方言は聞き取れないことに気づく。
また友達である犬が有罪を貫く中、証拠の精査から無罪に転じた。公平な判断をすると言い切る。

とり(内藤慎太)
厨二病全開のとり。雛鳥らしく、あまり飛べない。
お笑い要員ではある。朗読劇という部分を逆手にとって、彼が雛鳥であることは終盤まで隠されており、ヒナであるとわかった途端に会場が笑い声に包まれた。うまいな。
ヒナだから厨二病、と言ったところだろうか。

いぬ(楠浩子/森嵜美穂※1/9のみ)
最後の最後まで有罪を主張し続けたのは、飼い主に復讐するためであった。これは求刑が判断を鈍らせた利用されたという部分。前述の通り、りゅうとは対極にいる。
やはり頭はいいのだが、最後は感情が抑えられなくなり喚き散らす。
ダブルキャストであったが、楠さんと森嵜さんが擦り合わせをしていたのか、演技演出指導のたまものなのか両公演を見て遜色なかった。衣装的なものと声質だと思うのだが森嵜さんは優しい茶色の中型犬、楠さんは聡明な小型犬な印象を受けたのだが、その辺はどこにフォーカスして演じられたのか聞いてみたい気がする。くそっ、聞けばよかった!!

いのしし(樋口一樹)
いのししと言い張っていたけど、実はブタだっというオチ担当。樋口脚本における樋口さんの演じるキャラクターはデブであり、女性キャラクターから強い当たりをされたりデブだのブタだのと罵られるケースが殆ど。僕もネタにしていこうかと思うほどである。
前回がふとっちょグロテスクなんてひどいあだ名であったし、今回はストレートにブタだった。次回作ではデブリマス・ブサイクというキャラクターが登場するらしいので恐らく樋口氏なのだろう。これが彼のやり方か。なるほど。

今回は下敷きがあったため、考えながら見ることができた。展開の新鮮味はないけれど、それだけに脚本や演出としてはキャラクターの設定は自由度が高くかつ慎重にしないとモブ化してかねないので難しいだろう。加えて役者はキチンと設定を読み込み深く落とし込まないとやはりモブ化してしまう。そういう意味ではうしもとりも審議ではあまり活躍していないのにインパクトが強いのは落とし込みがうまくできている役者の力と脚本と演出によるテンポの良さをうまいこと反映させた結果であろう。

陪審員制度という固いテーマを選びながらも笑いを誘発させる手腕は見事であった。

コレカラクルーズの次回公演は4月。続いて7月。これは是非とも行きたいのだが、4月は転職したてで参加できるかが気になるところです。
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