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2010-11-08

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(7)(※ネタバレ含む)

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(7)』は、2010年11月10日に電撃文庫より刊行されたライトノベル。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』シリーズの第7巻である。


俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 ((電撃文庫))俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 ((電撃文庫))
(2010/11/10)
伏見 つかさ

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≪STORY≫
桐乃が今度はヨーロッパに!?
桐乃を有名なモデル事務所の専属にしたいと話が持ち上がった。
しかし、先日アメリカから逃げ帰ってきた彼女としても、行けるわけがなかった。
そこで、今回の話を穏便に断るために、桐乃がついたウソは「彼氏と一緒にいたいから」。
この事件をキッカケに京介と桐乃を取り囲む人々に影響を与えることになる。

≪考察≫
いまさら桐乃の好感度があがるわけがない。ツンデレではなく、ただの無礼者だからだ。
なので、京介が巻末でとった行動は心底正しい。というか、妹とデートしただけでも彼は勇者だが。
しかし、よく考えると、瑠璃はお姉さんなんだよな。家族に弟だったか妹だったかがいたと思う。いつの時代だって長子は大変なのよ。っていうか、瑠璃がちっさいイメージがあったけど、160cmもあるんだって。京介が175cm。沙織が180cmで桐乃が165cmと、実は身長が高い集まりだった。
まぁ、ここで語るべきではないのだが。

内容の本筋に戻ろう。
全編を通じて「彼氏」が問題になっていた。
京介は桐乃に彼氏がいると聞いて、「別に俺には関係ない」と言いながらも、どっかモヤモヤしたものがあった。多分、どっちの感情も正解である。京介からすれば、面倒事しか持ち込まない上に生意気で口が悪くて、そのうえ自分にとってアンチテーゼのような存在である桐乃は大嫌いである。しかし、人生相談を受けてしまい、面倒をみるハメになってしまった。
京介からしてみれば、散々迷惑をかけ倒されて面倒を見ていたのに、突然現れて桐乃を連れていくのは面白くないのだ。もしかしたら、自分だけが苦労して幸せになる桐乃が許せないのかもしれない。その辺りの感情がごちゃごちゃになってしまったのだろう。

彼氏騒動と言えば、黒猫こと瑠璃にまで波及することになる。高校進学した彼女は京介の後輩になって、一緒に遊ぶことが多かった。恋愛感情を持っておかしくはないだろう。
そんな中で、京介と桐乃のデートを目撃して動揺してしまったのだ。加えて、桐乃の本物の彼氏がいるとかいないとか。
半分パニックを起こして告白をしたのだろうが、京介はそれを受け入れた。まぁ、当然の結果だとは思うが。
気になるのは、最後の「この告白の数日後、黒猫の恋人になった」という一文。この数日に何があったんだろうと気になっている。8巻で描かれるんだろうか?

しかし、ここまで来ての瑠璃エンドになると、麻奈美はどうするのだろうか?
とはいえ、京介も麻奈美と付き合うことはないと明言している。同時に麻奈美に彼氏ができるのは許さんとも言っている。
むちゃくちゃに見えるが、実は桐乃に抱く感情に近いのではないだろうか。どちらかと言うと父親の感覚に近いのかもしれない。大切にしてるけど、恋愛感情にはならない。麻奈美の不幸は家族ぐるみの付き合いだったことであった。
完全に噛ませ犬化した麻奈美の登場シーンは殆どないのである。

≪総評≫
なんとなくではあるが、『とらドラ』に似ているのかもしれない。
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2010-09-09

ゴールデンタイム1 -春にしてブラックアウト-(※ネタバレ含む)

ゴールデンタイム1 -春にしてブラックアウト-は、2010年9月10日に発売されたライトノベル。
作・竹宮ゆゆこ 絵・駒都えーじ レーベル・電撃文庫


ゴールデンタイム 1 (電撃文庫 た 20-16)ゴールデンタイム 1 (電撃文庫 た 20-16)
(2010/09/10)
竹宮 ゆゆこ

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≪STORY≫
晴れて大学に合格し上京してきた多田万里。大学デビュー、東京デビュー、一人暮らしデビュー、と初めてのことづくしで浮足立つ彼は、入学式当日、不意打ちにあう。
圧倒的なお嬢様オーラ! 完璧な人生のシナリオ! 得意なのは一人相撲!
下手人の名は加賀香子。薔薇の花束を万里に叩きつけた彼女は、万里の友達でもある幼馴染みの柳澤を追いかけて、同じ大学に入学してきたという。しかし、柳澤からは避けられ、周囲からも浮きまくる。そんな眩しくも危うい香子を支援することになった万里の青春は黄金色に輝くのか?

≪評価≫
『竹宮ゆゆこ』と言えば、やはり『とらドラ』で有名である。私としては、断然『わたしたちの田村くん』推しなのですが。
さておき。彼女の書く本は、毎度毎度、本当に読みやすい。登場人物の若々しい表現や、心理描写が、読者をグッと引き寄せる魅力がある。これは今作においても揺るぎがなかった。非常に口当たりが良いのだが、シーンごとにおける情報量が多く感じる。言うなれば、スクリュードライバーのような感じだ。

さて、今作『ゴールデンタイム』は、パッとあらすじを読んだだけだと『とらドラ』の焼き直しにも見える。ヒロインの恋の成就を手伝う主人公。
だが、電撃にしても竹宮にしても、そこまで阿呆ではないだろう。実際、阿呆ではなかった
まぁ、さておき。
特筆すべきは、主人公の万里が、香子に惹かれていき、巻末では告白までやっている。これに関しては物語を読んでいれば分かる展開である。しかし、告白までいったのは驚いたが。
また、まだまだ不透明な多くの登場人物の関係模様が読者の興味を煽っている。

≪総評≫
『竹宮ゆゆこ』という作家はタイトルを増やすごとに魅せてくれる作家なので、是非とも「『とらドラ』と一緒www」と笑わずに読んでほしい作品である。
2010-09-05

幻想譚グリモアリスⅥ かくてアダムに祝福を (※ネタバレ含む)


幻想譚グリモアリスVI  かくてアダムに祝福を (富士見ファンタジア文庫)幻想譚グリモアリスVI かくてアダムに祝福を (富士見ファンタジア文庫)
(2010/08/20)
海冬 レイジ

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著・海冬レイジ 絵・松竜 レーベル・富士見ファンタジア文庫

≪STORY≫
キモいシスコン野郎の桃原誓護は困惑していた。
アコニットを王座につけ戦乱を鎮め、その上リンド=リヤナにもモテて大満足――のはずだったのに……。
「いのりお茶にしよう? 僕が焼いたお菓子もあるんだ」「いやっ!」
そんな誓護に、妹の祈祝は怯えた瞳を向け、はっきり彼を拒絶する! ショックのあまり王宮に引きこもる誓護。兄思いだった妹の身にいったい何が起きているのか!? 焦燥で誓護が身を焦がしそうな間も、<始源の書>を持つ敵たちが蠢いていた! やがて冥府界の、さらには人間界の存亡をかけた最後の戦いが始まる――。
スリリングな猛毒のネオ幻想譚に、いま美しきフィナーレを!!

≪評価≫
夜想譚では3冊。幻想譚に移行して6冊。計9冊に及ぶ、グリモアリスシリーズが遂に完結。
夜想譚時代から変わらない海冬の文章には毎度毎度脱帽してしまう。
さておき。
今作では遂に全ての物語に決着がつくのだが……
やはり誓護は最後まで誓護でした。
こう、ロクな感想が出てこないのは原因が二つあります。
一つは、前作が現在手元にないので内容をまるで覚えていないのでした。
一つは、それに伴って、今作の内容がまるで理解できない……とは言わないが、理解に苦しんだ。

なので、機会があれば、シリーズを全て読んでレビューを書いてみようと思います。
2010-09-05

フルメタル・パニック! 11巻&12巻(※ネタバレ含む)

『フルメタル・パニック』は、富士見ファンタジア文庫から刊行されている賀東招二のライトノベルである。イラストは、四季童子である。


フルメタル・パニック!11  ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫)フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫)
(2010/07/17)
賀東 招二

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フルメタル・パニック!12  ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)
(2010/08/20)
賀東 招二

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≪STORY≫
いかなる国家にも属さない、軍事による平和維持活動を主とする対テロ極秘傭兵組織ミスリル。軍事的な緊張状態にある紛争地帯などに出没し、テロリストや独裁政権に対し、強襲揚陸潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」や、最新鋭の「アーム・スレイブ」などを送り込み、これを殲滅している秘密組織である。
ミスリルの特別対応班に所属するエージェント相良宗介は、都立陣代高校に生徒として潜入し、仲間と共に千鳥かなめを秘密裏にボディーガードするという特殊任務を与えられる。幼少時からゲリラや傭兵として激戦地を渡り歩いてきた宗介は、平和な日常での常識が皆無で日本の生活に全く馴染めず、ひたすら失敗を繰り返す。初めは軍事オタク扱いされて避けられていた宗介だったが、二人は次第に打ち解けていく。
そんな中、ミスリルに敵対するテロ支援組織アマルガムの幹部で、宗介のかつての仇敵ガウルンが、修学旅行中のかなめを拉致すべく、学年全員を巻き込んでハイジャックを決行する。なぜ、かなめが狙われるのかさえ分からない絶望的な状況下で、援軍の到着を待つ宗介は、ひとり決死の反撃を開始する。
享楽的に戦闘を楽しむガウルンの駆る、謎の特殊兵器を持つアームスレイブとの戦闘により負傷した宗介らは、かなめを連れて逃亡するが、次第に敵の包囲網は狭まっていく。絶体絶命の窮地に陥ったその時、ダナンからの緊急展開ブースターにより射出された、新型アーム・スレイブ「アーバレスト」がその姿を現すのであった。

≪評価≫
第10巻の時点で、ウィスパードの謎、レナードが何を行おうとしてるのかが大体把握できた。
第11巻、第12巻では、基本的には『今の歴史』を守るべきかをウダウダ悩む話である。
とはいえ、遂に完結するフルメタル・パニックである。読みごたえは十分であり、著者は思わず駆け足で両巻とも一日で読み切った。

≪総評≫
ここまで来たら、細かい事など語らずに全部読め!としか言えない作品である。
全てが終わった後の彼らは、本当に彼ららしく、その光景には、これまでの殺伐とした空気から一転して涙が出てきた。
2010-06-05

林トモアキ

林トモアキは、1979年9月17日生まれで新潟出身の小説家である。
2001年の角川学園小説大賞で本作の1巻目が最優秀賞を受賞する。
その後、『お・り・が・み』シリーズや、『戦闘城塞マスラヲ』シリーズ、『ミスマルカ興国物語』シリーズを執筆している。

今回、林先生の事を書こうかと思ったのか? それは、ラノベ一覧にして掲載したら、『お・り・が・み』の面白エピソードを書いてくれ!という要望が入り、「全編だよ!」とも言えず、ならいっそ林先生について語ったほうが早いんではないか?と思った次第です。

さて、熱心な蒼崎ファンの方ならご存知の通りですが、ワタクシは林トモアキ先生を勝手に師としています。
そもそも、林先生の作品との出会いは、僕がオタクとして超駆け出しの頃に本屋で見かけた一冊の本でした。
高校2年か1年の時ですね。平積みされていた『お・り・が・み 外の姫』のカバーイラストに心を惹かれてしまい、『天の門』、『龍の火』を合わせて購入したのですよ。
本当にオタクとしては駆け出しで、やったゲームはメモオフだけでしたね。
当時はまだ知らなかったのですが、今になって思うと運命だと思いますよ。メモオフと林作品の共通点は、世界観が同じであることです。
前作のキャラが出てきたり、舞台が似ていたり……
そんなこんなで、僕の中では先生の本は手放せないものになりましたし、僕が小説を書くにあたっては、常に意識する作品でもあります。

僕の話ばかりしても仕方がないので、蒼崎の語る林トモアキ先生の魅力について。
何といっても、ギャグと熱さが絶妙なバランスで同居して住み分けていることですね。日常的な会話などはコミカルにキャラクタが自由に喋っているように感じるのだが、一転して戦闘シーンやここ一番においては鳥肌が立つぐらいに夢中になってしまうほどの熱さを感じさせるものがありますね。
上記の通り、キャラクタが生きているように見えるのは、僕の贔屓目だけではないと思いますね。いわゆる美少女モノに出てくるような萌えるキャラクタではあるのだが、どこかしら『イカレ』ていたりと、人物像が特濃であり、あれは実際書いていて面白いのではないか?と思いますね。
設定が面白いというか、非常に綿密というか、とにもかくにも頭のいい人なんだと思いましたね。技名などには多少の安易さは感じなくもないのですが、それをさておけば、例えばノエシス・プログラムや隔離世など…… 大風呂敷を広げてたためるのも魅力ですね。
世界観の統一というのは、僕もかなり好きな設定ですね。僕自身、主人公達のその後っていうのがすごく好きなんです。ギャルゲしてても、エンディング後のエピローグがすごい好き。さておき。これは営業的にもファンサービス的にもありだと思います。旧作を知っている人は、新作でニヤリ。新作でやりたい放題しているメイドは誰だ!?と思った人は旧作へ。
そして、密かに思っているのは、林先生の作風に変化を感じることですね。『お・り・が・み』の時点で、割と登場人物が酷い目にあっているんですよ。あるいは、シビアと言ってもいいかもしれない。鈴蘭がみたリッチの姿とか、最終決戦でイワトビーが不参加とか。そんなこんなでマスラヲでは、一度息を潜めましたが、ミスマルカの最新刊(7)で衝撃の結末を迎えましたね。あれには「林、ついにやりやがった!! けど……!!」ととてつもない衝撃を受けましたね。あぁ、いや。本当にすごいですよ。先生。マジで尊敬します。
作風の変化、と言っていいのか不安ですが、最新作であるミスマルカはマスラヲとおりがみを継承していますね。おりがみのシビアさとマスラヲでヒデオが見せた口先だけで世界を救う。これも長年ファンをやっていると感じました。
長々と語りましたが、是非とも林トモアキ著の作品に触れてみてください。


ミスマルカ興国物語 VII (角川スニーカー文庫)ミスマルカ興国物語 VII (角川スニーカー文庫)
(2010/06/01)
林 トモアキ

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レイセン  File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)
(2010/02/01)
林 トモアキ

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2010-06-01

【ライトノベル】2010年5月31日現在

ライトノベルの数とタイトルを管理してました。
ということで、こんな感じです。

もしよければ、感想を書いてほしい作品を言ってください。
ただちに読書をして書きます。
よろしくお願いします。


スニーカー文庫
スニーカー

電撃文庫
電撃

富士見
富士見

ファミ通文庫
ファミ通

スーパーダッシュ
スーパーダッシュ
2010-04-22

花守の竜の叙情詩(※ネタバレ含む)

『花守の竜の叙情詩』は、2009年6月25日に富士見ファンタジア文庫より発売されたライトノベル。
著・淡路帆希 絵・フルーツパンチ

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫)花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫)
(2009/06/20)
淡路 帆希

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≪STORY≫
隣国エッセウーナによって制圧された、小国オクトス。囚われの身となったオクトスの王女エパティークは、絶望の中にあった。
だがある日、そんなエパティークの前に、エッセウーナの第二王子テオバルトが現れ告げた。
「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
その『旅』とは、願い事を叶える伝説の銀竜を呼び出すというもの。呼び出すために必要とされる生贄が、エパティーク。支配した者と、支配された者。お互いを憎み、反発しながら、孤独な2人の長い旅が始まる――。
宿命の愛と冒険の物語。

≪基本情報≫

カロル:エッセウーナ、オクトスを内包する島。
オクトス:カロル島にある国の1つ。国王は国民に対して圧政を敷き、国土拡大を目論む。エパティークは、そんな父の仕事の内容を知らずにいた。
エッセウーナ:異母三兄弟のいる国。長兄が王位を継ぐことは決定しているが…… オクトスを滅ぼしたのは、この国の長兄であり、島を統一することになった。
銀竜の伝説:オクトスに伝わる伝説。ある崖から生贄となるオクトス王家の純潔の乙女を突き落とすと、何でも願いをかなえてくれる銀竜が現れるようだ。

≪登場人物≫

テオバルト
エッセウーナの第2王子。王位継承権第2位ではあるが、妾との子であり城の中で孤立した存在になっているようだ。母の死をキッカケに人間を嫌うようになり、信じているのは妹のロザリーだけ。賢く、それなりに剣もたつ。長兄ラダーが国王となれば、妹のロザリーは王家の娘として過酷な運命を待っている事がわかっている以上、要約すると「死ね」という長兄の命令である銀竜召喚を遂行する為にエパティークを連れて旅をする。目的を果たす為なら、外道のような所業も厭わない。ハズだった。

エパティーク改めアマポーラ
オクトスの姫君。ラダーの命で彼女だけが王家の中で生き残った。しかし、生き残って正解だったかと思えないほどの悪夢のような状況であった。本物の世間知らずで、オクトス王家が国民から恨まれているなんて知らずにいた。そんな無知さ加減は怒りを通り越して呆れるほどであり、彼女に現実を突き付けたテオバルトの気持ちもよくわかる。エパティークが名前を変えたのも、恨んだ国民に殺されないようにするためである。
エパティークもアマポーラも花の名前である。

エレン
オクトスの国旗だったか紋章だったかを持っている男性に「助けなさい!」と言ったエパティーク。王女が生きていることが市井に知られる事になり、テオバルトが打った手は奴隷商から子どもを買ってくることだった。
それがエレンである。歳は4つ。エパティークも奴隷のような格好をさせられているので、姉妹か親子に見せることで誤魔化す事にした。
自分が売られてきた事もわかっている上で明るく振る舞う少女。彼女の存在がテオバルトとエパティークの距離を縮めることになるキーパーソン。

ラダー
エッセウーナの第1王子。人を見下し小馬鹿にした口調で話すが、それだけに見合う能力を持っている。
願いを叶えてくれる銀竜を呼び出し、父の病気を治してほしい。という名目でテオバルトを城から追い出した。これを断れば、不敬罪に問われるし、エパティークを崖から突き飛ばして帰ってきても因縁をつけて殺すつもり。テオ曰く、そういう腹づもりであった。

ロゼリー
エッセウーナの第1王女。三兄弟の一番下。
テオバルトが唯一心許す妹。

≪考察≫
読み物としては非常に読み応えのある作品であった。
物語冒頭のエパティークは酷い有様で、高慢ちきな女という印象しかなかった。どの登場人物も自分が第一であるような印象を受けるのだが、それを変えていったのがエレンの存在である。
エパティークはテオバルトを憎んでいたし、テオバルトもエパティークの無知さ加減に人間嫌いが手伝って印象は最悪であった。
しかし、事故的にエレンが旅に加わることにより、エレンの世話を命じられたエパティークは人として成長し、高貴であったエパティークはアマポーラへと変わっていった。そんなアマポーラに惹かれるようにテオバルトも成長し、いつしかエパティークやエレンにした仕打ちを後悔するようになった。
旅の中で暴徒や王家の手の者に襲われそうになるたび、彼らの絆は強くなっていく。そうしてぶち当たるのは、テオバルトの天秤である。アマポーラを取ればロゼリーが過酷な運命にさらされる。ロゼリーを取ればアマポーラが死ぬ。その天秤の苦しみに気づいたアマポーラは、自分の罪(無知)の贖いのために、せめてテオとエレンとロゼリーの幸せのために銀竜に食われることを望んだ。
旅の中でアマポーラの生い立ちや王家にしか伝わらない歌を知ったテオバルトは苦悩しつつも、ある真実に辿りつく。
その真実の果てにあったのは、テオバルトにとっての罪であった。
この作品から感じたのは、『無知の罪』と『贖罪』というものでした。
エパティークは自身の国の事を何も知らず、知ろうともせずに、自分自身の運命を呪い、エッセウーナを呪い、泣き叫ぶだけだった。しかし、エレンの世話をするなかで、自分自身の罪を直視し、贖いを初めて彼女はアマポーラになった。
テオバルトも盲信していたがために自身の罪に気づけずにいた。そのための贖罪のために……
なかなか奥深い作品であったように思います。
余談ですが、エパティークとアマポーラは花の名前ですね。
雪割草(エパティーク)と雛罌粟(アマポーラ)。
雪割草の花言葉は、優雅や高貴。雛罌粟の花言葉は、感謝。
作中では花言葉については触れられてなかったですが、彼女の名前にするには十分な理由がつけられていました。

≪総評≫
反目する2人が旅をするのは、なかなか見かける話ではありません。
ですが、ライトノベルとしては好き嫌いがはっきりする部類の作品ではないかと思います。ちなみに私は大好きなタイプの作品ですね。
内容も非常に読み応えがある作品ですし、またエパティークやテオバルト、エレンは過酷な状況にあったりして、悪夢であっても見たくはないと思ってしまいました。
お勧めです。
2010-02-10

アスラクライン〈14〉The Lost Files(※ネタバレ含む)

アスラクライン〈14〉The Lost Files (電撃文庫)アスラクライン〈14〉The Lost Files (電撃文庫)
(2010/02/10)
三雲 岳斗

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アスラクライン〈14〉The Lost Filesは2010年2月10日に電撃文庫より発売された。

≪物語≫
デウスを撃退した夏目智春だったが、射影体である水上操緒と共に次元の狭間(?)に閉じ込められ、時空をたゆたっていた。
行方不明になった兄を捜す目的も含め、智春の妹である苑宮和葉が洛芦和高校に入学してきた。そんな彼女の傍らには、射影体の姿が……

≪評価≫
完全に外伝状態である。話の進行はない。
智春達のこぼれ話と和葉が出会うアスラクラインの登場人物達。
特に読まなくても問題はないだろう。
正直に言えば、あんまり面白いものではなかったと思う。

アスラクライン〈14〉The Lost Files…
 シナリオ…50pts
 キャラクタ…100pts
 世界観…100pts

うーん、微妙だな。
2010-01-31

レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女(※ネタバレ含む)

レイセン  File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)
(2010/02/01)
林 トモアキ

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著・林トモアキ 絵・上田夢人 レーベル・スニーカー文庫 発売日:2010年2月1日

≪前提≫
大人気のうちに連載終了。最終話は単行本で刊行された『戦闘城塞マスラヲ』の続編。
いや、続編ではなく、外伝でしょう。
なので、マスラヲを読まないと楽しめない作品になっております。

≪物語≫
伝説にまで成り上がった『聖魔杯』から数ヶ月、普通の社会復帰に失敗したヒデオは宮内庁神霊班に就職する。しかしそこでの仕事は、人々の悪意から生まれた悪霊を、人間にとり憑く前に祓うというもの。聖霊に知り合いはいても、お祓いスキルはまったく無しのヒデオはいきなり大ピンチ! 先輩にして巫女の睡蓮に厳しくしごかれる日々が始まる。さらに、今度は闇属性のゴスロリ聖霊少女に憑かれてしまい――前途多難の第二の人生(セカンドステージ)、開幕!

≪感想≫
先日、ミスマルカを読んだ覚えがありますが。さておき。
この本では、ヒデオが宮内庁に就職してからの話ですね。要するに「初めまして、川村ヒデオです」という感じの所からです。
相変らず、林トモアキ先生の文章は面白い。基本的に三人称なのだが、時折入る一人称とノアレのやり取り。本当にすごい。
さてさて、内容を。
Case1:巫女とヒキコと闇少女
これは、ヒデオと睡蓮の出会い。そして、闇の端末であるノアレの出会いが主な事になっている。
冒頭は睡蓮の視点になるのだが、やはり妙齢の女性ということもあるのか、男の子が気になるようだ
……今までの林作品でありそうで、実はなかった(ハズ)恋愛要素(?)が含まれている。それを確信させるcase1でした。
Case2:神霊班に住まう【悪】
つ、ついに、ほむらさんがビジュアル化。なんか、マジで鬼っぽいイメージだったのだが、パッと見はナイスミドル。
あ、話がそれてる。というわけで、ほむらさんとヒデオの出会い。睡蓮がヒデオの心根を確かめる為に、ほむらさんをけしかける。ほむらさんのようなアウターが睨みつけるだけで、普通の人間は喋れなくなる。だけど、ヒデオはほむらさんの前でも喋った。それだけで合格。当たり前だ。『闇』と対峙したのだから。
さておき、このcaseでヒデオは強くなった事を示唆した。
Case2:依頼は跳ね馬に乗って
関東機関の桃条千影の登場話。僕自身も殆ど記憶にないのだが、『お・り・が・み』の関東機関のクーデターの際、唯一参加しなかったEナンバー。最終巻まで一度もビジュアル化されなかった悲劇のキャラ、再び!(らしい)
そんな彼女が宮内庁神霊班にやってきたのだが、丁度ヒデオしかいなかった。なので、ヒデオを連れて、神霊現象(?)ポイントまで行く話。
初めて、ヒデオ自身の力で何かをするお話。確実にヒデオは進歩しています。
Case4:日出る国の真実
ヒデオが家に帰り着くと、そこには……
翔香、睡蓮、千影が待っていた。察しの良い方は気づいたでしょう。
ヒデオの歓迎会です。パジャマの神三度……!!
だいたい50ページ。そのうち、6割程がエロゲの正当性について、ヒデオが熱く熱く語ります。
Special Case:東京ラフストーリー
描き下ろしです。
最初のほうに書きましたが、どこか恋愛要素を含んでいる気配のあるレイセン。
鈴蘭が睡蓮を思い、合コンパーティーを開催した。
まぁ、その合コンで、あわや【闇】の本体を召喚する事態に……!?

≪評価≫
やっぱり、林先生は最高だ!! いままで無かった要素も含まれており、それでも違和感を感じない。と言えばウソだ。だが、決して悪いものではない。なんというか、心温まる感じ?

レイセン File1……2250pts
 ストーリー:200pts
 キャラクタ:500pts
 世界観:300pts
 +久しぶりの睡蓮:250pts
 +ウィル子:200pts
 +翔香、まさかの……:200pts
 +日出の国の真実:300pts
 +東京ラフストーリー:300pts


林先生曰く、実はマスラヲのアニメ化の話があったそうです。
だが、枠が12話しかなかった。5巻までの内容をやるには…… 魔殺商会の登場を全面カットする必要が……
先生、アニメ化の話を蹴ったようです。
誰が怒れるでしょうか!? 否、怒れない!!
魔殺商会あってこその、マスラヲ!!
ナイスです。先生!!
そうだ…… 先生。もし見ていたら、お願いがあります!!
ヒデオと睡蓮とラティの三角関係を……!!!!
いや、単純にラティが好きなんです。とりあえず、ラティを出せ。
2010-01-26

幻想譚グリモアリスⅤ - 天の座に咲け叛逆者 -(※ネタバレ含む)

幻想譚グリモアリスV  天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)幻想譚グリモアリスV 天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)
(2010/01/20)
海冬 レイジ

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著・海冬レイジ 絵・松竜 レーベル・富士見ファンタジア文庫

≪物語≫
キモいシスコン野郎の桃原誓護は、最愛の妹・祈祝(いのり)を奪還した後も、アコニットのもとに留まっていた。いのりの様子は気になるが、冥府での戦いが、未だに予断を許さないものであったからだった。
ほどなくして、敵である霊廟側から使者が訪れる。現れた使者は、アコニットが最も信頼していた一三星樹の元太守・ドラセナ!? 彼女は、霊廟側が講和を望んでいると告げた。しかしその条件は――。
「アコニット姫は、生涯お独りで、煉獄につながれていただきたく」
このままではアコニットは永久に囚われの身! 事実上の宣戦布告に、誓護たちは申し出を拒否するが……。
急展開の猛毒のネオ幻想奇譚。決戦を覚悟した誓護たちの策は!?

≪考察≫
相変らず、海冬は面白い作品を書いてくれる。
第5巻です。
とはいえ、何か深く語るかと言われれば、何も語らない。面白いんだよ。普通に。
特にオドラ様が素敵過ぎるんだよ。毎度毎度。
あぁ、でも、これだけは言いたいんだよ。
『天空のユミナ』の原画家である松竜さんが絵を描いてるんですよ。
あぁ、素敵。

幻想譚グリモアリス……850pts
 ストーリー…150pts
 キャラクタ…150pts
 世界観…100pts
 +アコニット…200pts
 +リヤナ…250pts
2010-01-25

神さまのいない日曜日(※ネタバレ含む)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)
(2010/01/20)
入江 君人

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2010年01月20日に富士見ファンタジア文庫より刊行された『神さまのいない日曜日』
著・入江君人 絵・茨乃
第21回ファンタジア大賞『大賞』受賞作品

≪物語≫
15年前。神様は世界を捨てた。人は生まれず死者は死なない。絶望に彩られた世界で死者に安らぎを与える唯一の存在『墓守』。
「今日のお仕事、終わり!」
アイは墓守だ。今日もせっせと47個の墓を掘っている。村へ帰れば優しい村人に囲まれて楽しい一日が暮れていく。だけどその日は何かが違った。銀色の髪、紅玉の瞳。凄まじい美貌の、人食い玩具(ハンプニーハンバード)と名乗る少年――。その日、アイは、運命に出会った。
「私は墓守です。私が、世界を終わらせません!」
世界の終わりを守る少女と、死者を狩り続ける少年。終わる世界の中で、ちっぽけな奇跡を待っていた――。

≪評価≫
大賞を受賞した作品だけあって、完成度の高さはスゴい。
なんというのだろうか、テキストの上ではものすごく惨い事をしているというのに、不思議とそれを感じさせない美しさを感じてしまう文章。過酷な運命を背負わされているキャラクター達の端々にある優しさが本当にいい味を出している。
今回はあまり内容は突っ込んで書かないでおこうと思う。
この作品は、レビューを読んで読んだ気になるだけではもったいない。
お勧めです。

神さまのいない日曜日……850pts
 ストーリー…100pts
 キャラクタ…150pts
 世界観…350pts
 +文章…250pts
2010-01-12

バカとテストと召喚獣(1)(※ネタバレ含む)

バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
(2007/01/29)
井上 堅二

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バカとテストと召喚獣(1)
著・井上堅二 絵・葉賀ユイ レーベル・ファミ通文庫

≪あらすじ≫
「こんな教室は嫌じゃああっ!!」
アホの明久は叫んだ。ここ文月学園では、進級テストの成績で厳しくクラス分けされる。
秀才が集まるAクラスはリクライニングシートに冷暖房完備だが、彼のいるFクラスの備品はボロい卓袱台と腐った畳だけ。
明久は密かに憧れる健気な少女・瑞希の為、組代表の雄二をたきつけ対クラス戦争を始める。
それは学園が開発した試験召喚獣を使い、上位の教室を奪うという危険な賭けだった!?
第8回えんため大賞編集部特別賞受賞。

≪物語≫
試験召喚戦争……通称・試召戦争
学年末のテストでクラス分けされ、最下層であるF組の施設は酷い有様だ。
しかし、クラス間戦争である試召戦争に勝利すれば、教室を取り換える事が可能である。
例えば、F組がD組に勝利すれば、F組の教室がD組の教室になる。
主人公・明久は身体の弱い瑞希の為に、環境のいいA組の設備を手に入れる為に、クラスを巻き込んで試召戦争を仕掛ける。が、明久は壊滅的に頭が悪かった!

≪考察≫
設定が非常に面白く、人気の理由が垣間見えるものである。
ライトノベルを読む世代といえば、一般には中高生が多い。
その中高生の悩みのタネといえば、もっぱらテストの事である。そのテストをテーマに扱う事で、バカな設定だというのに、グッと身近に感じるものになるのだろう。
加えて、この話のミソ(?)は、『成績が良い事は数値化されたステータス』である事を推しつつも、例えば、雄二のように知恵を使って状況を打破する、というものが明確に表れている。
『成績が良い』=『頭がいい』と直結しない仕組みになっている。
ただし、面白いのは、知恵者だからだと言って勉強しなくてもいい、なんてことは書かれていない。むしろ、否定的な面がある。否定的、というは少しおかしい気がしないでもないのだが。
というのは、最後の最後に雄二が翔子(A組)との一騎打ちでボロ負けしたからである。
更に言えば、幕間にある通称『バカテスト』では、明久の珍回答は見ていれば、「勉強しよう」という気分になるからだ。というか、私自身も明久に限りなく近い人間なので、本当にそう思った。
そういった意味でも面白い作品である。

≪総評≫
キャラクターが非常に個性的である。また、バカテストも爆笑モノである。

バカとテストと召喚獣(1)……800pts
 シナリオ…150pts
 キャラクター…200pts
 世界観…150pts
 +バカテスト…300pts
2009-12-27

ミスマルカ興国物語Ⅵ(※ネタバレ含む)

『ミスマルカ興国物語Ⅵ』
著・林トモアキ 絵・ともぞ レーベル・角川スニーカー文庫
(本来なら)2010年1月1日に発売されたライトノベルであるが、実際は2009年12月27日に購入可能であった。

ミスマルカ興国物語 VI (角川スニーカー文庫)ミスマルカ興国物語 VI (角川スニーカー文庫)
(2010/01/01)
林 トモアキ

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≪物語≫
帝国とは停戦状態のまま、中原は諸国の王の誕生日が集中する“黄金月間”に入る。王に代わって諸国の挨拶回りを始めるマヒロだったが、それは各国の実情を見極め、帝国へのカードにするための布石だった――。

≪感想≫
今回の目玉は、個人的には3点!

1、エミットさんの大活躍♪
汝疑う事なかれ♪ 隻腕隻眼白髪勇者、『独眼竜』ジェスにくっついて歩く、謎のシスターのエミットさん。
前巻から、枢機卿っぽいことを言っていたけど、本当だった!
割とマヒロには酷い扱いを受けているが、個人的には超好き。

2、リーゼルのお姉さん、アンゼリカの登場♪♪
蒼崎、お姉さん系、大好きなんです。
そういえば、リーぜルのお姉さんも元勇者。しかも最強クラス。
パリエルもそうだし、マヒロは奪われているとはいえ、強力な魔力の持ち主。
その秘密が、この巻で明かされます。

3、白井沙穂登場!!!
これは、『お・り・が・み』を読んでいないと判らないのですが、彼女が登場します。そんな彼女は……
他には、預言者マリーチやクーガーが出てきます。
本当に、『お・り・が・み』は読んでおくと面白いよ?

≪総評≫
今回は腹を抱えて笑える質の面白さはなかった。
また、後半の麻雀が素人には判りにくいので、イマイチ盛り上がりに欠けた。
その反面、全体に散りばめられた、ジェスの過去、マヒロ達の出生などが興味深いものになる。
そういった意味では、面白かったのではないだろうか。
ただ、気になるのは、「あとがき」に「次の話で第一部完」とか書いてあったけど、大丈夫か?


≪information≫
2010年1月26日 コミック版『ミスマルカ興国物語』(1)
2010年2月1日 戦闘城塞マスラヲの続編『レイセン』(1)
2010年2月4日 コミック版『戦闘城塞マスラヲ』(1)

発売予定です。
2009-12-10

月の盾(※ネタバレ含む)

月の盾 (電撃文庫)月の盾 (電撃文庫)
(2006/05)
岩田 洋季

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著者:岩田洋季 絵:室井麻希 レーベル:電撃文庫

≪物語≫
妹の小夜子が事故でこの世を去った八月十五日は、アブラゼミがうるさく、怖いくらいに日没が赤い、まるで世界が焼かれていくような夕方だった。そして、五年後の小夜子の命日。同じように夕陽で赤い空を、雲がせわしなく流れていく。周囲がアブラゼミの鳴き声に包まれる。なにか、予感めいたものがあった。驚くほど暗く、常にざわざわと不穏な音を奏でる森の中、上りかけた月の光が優しく降り注ぐその下に、小柄で美しい少女は座っていた。「―あなたは…だれなの?」少女の声質は小夜子と似ていた―。日没になると必ず眠る少女国崎桜花は、決して小夜子の代わりではなくて―。

≪考察≫
真剣に推薦図書にしたい程の名作ではないだろうか? 初めて読んだ時の衝撃が未だに薄れない作品だ。
非常にシリアスな作品となっており、おおよそ『護くんに女神の祝福を!』を書いている人と同一人物とは思えない出来である。しかし、護くんは読んだことすらないのですが。
さておき、作品の内容に関して触れておこうと思います。

そもそも、桜花と出会うキッカケになったのは、彼女の母親が亡くなったからだ。若い頃に家を飛び出した、桜花の母……主人公の母の妹である。
なので、彼女の存在は殆ど知られていなかった。
さて、そんな彼女を引き取る事にした村瀬暁の両親。金銭目的ではなく、あくまで善意である。
桜花は村瀬家に来てからも、会った時同様に常にビクビクしている様子であった。そんな様子に不審に思った暁だったのだが、迂闊にも桜花の着替えに遭遇してしまう。そこには傷ついた身体があった。それは恐らく桜花の母親からの虐待の痕であろう。
暁は桜花の両親に興味を持つものの、深入りはせずにいた。
ある日、暁は桜花の部屋で、彼女が書いたと思われるスケッチを見つけ感銘を受けた。天才的な絵画の才能を褒められた桜花は、ようやく暁に心を開くようになり、次第に絵を描くようになった。

月の盾とは、彼女の書いた絵のタイトルである。
後天的に色を判別できない彼女は、画家としては致命的に思えた。しかし、そのハンディキャップを乗り越えて描かれた『月の盾』は、美術界で称賛を受ける事になった。
ついに彼女は個展を開くことになるのだが、月の盾以上のものを書いてほしいと依頼され、次第に追い詰められていくことになる。
そうして、彼女が月の盾を燃やしてまで描いた絵は『クローゼットの悪魔』である。月の盾以上の迫力を持ち、美術界は騒然とする一方で、彼女の絵を見た人間が自殺する事件が多発。
次第に彼女の出生が発覚して行くことになる。
一度は筆を置いた彼女だったが、絵で人を傷つけたなら、絵で人を救えると考え、クローゼットの悪魔から人々を救う『月の盾』を描くのであった。

≪感想≫
暁の一人称で綴られる『月の盾』なのだが、描写が圧倒的である。美しい描写とは、まさしくこの事だと思える。
一つ前の記事の終わりのクロニクルが、内容もキャラクターも濃いとしたのなら、こちらの作品はまさしく『美しい』のである。
また、非常に読みやすい出来になっている。

月の盾……390点
 シナリオ…120点
 キャラクター…70点
 世界観…80点
 +描写の美しさ…120点
2009-12-10

AHEADシリーズ『終わりのクロニクル』(1)

終わりのクロニクル1〈上〉   電撃文庫 AHEADシリーズ終わりのクロニクル1〈上〉 電撃文庫 AHEADシリーズ
(2003/06)
川上 稔

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終わりのクロニクル 1〈下〉  電撃文庫 か 5-17 AHEADシリーズ終わりのクロニクル 1〈下〉 電撃文庫 か 5-17 AHEADシリーズ
(2003/07)
川上 稔

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著者:川上稔 絵:さとやす レーベル:電撃文庫

≪物語≫
第二次世界大戦という歴史の裏側にもう1つ、決して表に出ることのない戦争があった。平行して存在したその全てを歯車に例え、ギア(G)と呼ぶ10の世界が生き残りをかけたその戦争は、全ての物事の究極の理由「概念」を奪い合い滅ぼすことから概念戦争と呼ばれた。そして概念戦争に勝利した我々の世界、「Low-G」に全てが隠蔽されてから60年、ある問題が起きた。
Low-Gのみが所持する「マイナス概念」の活性化。それにより、今や唯一のGとなったLow-Gは再び滅びの道を歩み始めた。滅びを回避するには、かつて滅ぼした10のGの概念の力が必要だった。概念戦争を知り、10のGを滅ぼした組織「UCAT」は、各異世界の生き残り達との交渉のための専門部隊全竜交渉部隊(チームレヴァイアサン)を編成する。
1人の少年は祖父からその代表たる役目と権利を譲られ、「自分が本気になるために」交渉役を引き受ける。自ら悪役を名乗る少年、その名を佐山・御言。全ての遺恨を収め世界を救うための交渉、全竜交渉(レヴァイアサンロード)が、「佐山の姓は悪役を任ずる」
その言葉とともに始まる。

≪考察≫
考察と言っても大したものではない。
世界は11の並行世界に分かれている。順に1st-G、2nd-G……10th-Gと続き、我々が住む世界はLow-Gと呼ばれている。
Low-Gは、全ての並行世界を滅ぼし勝利したのだが、世界の崩壊は止まらなかった。
崩壊を阻止する為には、全ての世界の『概念核』と呼ばれるものが必要であり、その概念核は各Gの残党が保持しているという。その概念核は、殆どの場合が竜を模した兵器に内包されている事により、『全竜交渉』と呼ばれるようになった。
Low-Gにまつわる各地の神話は、各Gに起因するとされている。
今回は1st-Gの話と、佐山が全竜交渉にかかわるかを決断する物語だ。
※かなり乱暴に解説しています。

≪1st-Gの世界観≫
表記文字が力を持ち、文章内容が能力として発揮される概念を有した世界。ニーベルンゲンの災いの原型とされ、Low-Gでは10th-Gと同じくドイツ、神州世界対応論では近畿地方と対応する。
テーブル型大地をドーム状の空が覆う内向型構造で、星はドーム内面に張り付き、太陽は地下道を通って周回する。昼夜は太陽の出没で区別し、月は存在しない。大気には1st-Gにとっての文字の役割を担う精霊が存在し、1st-G住人は説得する事で自然を操作出来た。生物は文字という力が進化と突然変異を繰り返した末に誕生した。そのため1st-G生物は体内に遺伝子として文字があり、多様な能力を持つ反面で1st-G外での生存能力を著しく欠く。
文化はヴォータンという王国が周辺の集落や街を統括する体制をとっていた。土地は狭かったが文字と対話によって事象を操り、不便は少なかった。しかし自由性の高い概念が災いし、筆記系の文化は王族や専門職にのみ与えられ発達しなかった。

≪感想≫
上巻では、佐山を筆頭とする登場人物の自己紹介の色が強かった。
というわけではない。たしかに、1巻だけあってキャラクター紹介の色もあるのだが、それに伴って物語は進行している。
登場人物が非常に個性的な人物ばかりで読みやすい反面、内容が特濃かつ重厚である為に解釈するには二度三度の読みかえしが必要である。
しかし、すごいは分量に対して、執筆期間の短さである。
wikipediaを見てみると、2003-2005となっている。
ただでさえ、一冊で鈍器扱いの本であるにも関わらず、それを14巻……2年で執筆する速度は異常だ。

この作品に関しては、最終巻まで評価をつけない事にした。
2009-11-13

れでぃ×ばと!(※ネタバレ含む)

れでぃ×ばと! (電撃文庫)れでぃ×ばと! (電撃文庫)
(2006/09)
上月 司

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電撃文庫より2006年9月10日に刊行された。
著:上月司 絵:むにゅう

お嬢様(れでぃ)×執事候補生(ばと)!
ということで、戦いの如き恋が始まる……っ!


物語
小学生の頃に両親を亡くした日野秋晴は、親戚の家で暮らすのが嫌で仕方がなかった。家に帰るのが嫌で、夜の街に溶け込めるように髪を染め、ピアスの代わりに耳には三つの安全ピンをさしている、見てくれだけは不良になった。
そんな彼が白麗陵学院を知ったのは最近だった。とにかくとんでもないお嬢様校だった白麗陵が、今年から『上育科』と『従育科』というものを設立、共学化を図った。
前者はお嬢様やお坊ちゃんが通い、授業料もとんでもない額になるそうだ。
後者はメイドや執事を育成する科目となっている。最大のメリットは、従育科の生徒には、一切の費用がかからないというのだ。
秋晴は、一刻も早く親戚の家を出て行きたかった為に、元いた高校から白麗陵に転校することに成功した。
心躍る初日……彼は再会してしまう。小学生の頃に、秋晴に膨大な数のトラウマを植え付けた、トラウマメーカーの彩京朋美と。
秋晴は執事候補生として、朋美をはじめとするお嬢様達とのトラブルに巻き込まれて行く。

初刊ということで…
登場人物

日野秋晴
主人公の青年。小学生の頃に両親を亡くしてしまった為に親戚の家に住んでいた。
不良のような格好をして口も悪いが、基本的には真面目で優しく面倒見がいい。
ラブコメの主人公のように多くの女生徒から好意を寄せられる事になるが……

彩京朋美
表紙の少女。元々は秋晴と同じく庶民だったが、母親の再婚を機にお嬢様になった。
小学生の頃は、ガキ大将で秋晴に多くのトラウマを植え付けた。その腹黒さは高校生になって更に加速している。
人前では徹底して特大の猫を被っているが、秋晴の前でだけは年相応の少女となる。
シンデレラガールであるために、自分が庶民の出身であることを笑い草にされないように努力を重ねてきた。
非常に聡明で、努力家な腹黒ヒロイン。

セレニア=伊織=フレイムハート
容姿端麗の日英クォーターの少女。英国貴族の血族。
とにかく胸がでかい。そして、金髪の縦ロールはまさしく『ドリル』。
非常に高慢なように見えるが、それは無知だからではなく、自身の血に誇りを持ち、貴族をナメられないようにと思っての事のようだ。
朋美とは違い、表裏がない。思いこみが激しい。
二大ヒロインの片割れ。朋美とはライバル関係である。

総評
これは僕の頭が悪いせいなのだろうが、読んでみた感想としては……
中身がない。
1冊3話構成となっており、1話では秋晴の転入と主要人物の紹介といったところだろうか。
2話では、秋晴のクラスメイトである大地薫(男装少女)と四季鏡早苗とのエロいドタバタ調理実習となっている。
3話は学校全体では5人しかいない男子生徒(大地含む)の紹介と朋美とセレニアにフラグを立てる。
このような構成になっている。
今まで読んできた本では、1冊の中に波があった。だが、今回は物語的な波はほとんどなく、最後の秋晴の過去(導入編)ぐらいしかなかったように思える。
確実に長期化することを見越した構成になっている為に、読むのには骨がいる。
そういった意味では、新人賞を取っている作品のほうが面白いのだ。
それでも読んでしまうのは、やはりドリル・セレニアに惹かれているからだろう。

れでぃ×ばと!…160点
 シナリオ…30点
 キャラクター…50点(セレニア補正込み)
 世界観…10点(もはや古典芸能)
 イラスト…70点(絵だけなら非常に可愛い)
 +追加補正なし。

プロにもなれない私が言うのもアレだが、これはヒドいよ。
2009-11-10

葉桜が来た夏(※ネタバレ含む)

葉桜が来た夏 (電撃文庫)葉桜が来た夏 (電撃文庫)
(2008/04)
夏海 公司

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葉桜が来た夏〈2〉星祭のロンド (電撃文庫)葉桜が来た夏〈2〉星祭のロンド (電撃文庫)
(2008/09/10)
夏海 公司

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葉桜が来た夏〈3〉白夜のオーバード (電撃文庫)葉桜が来た夏〈3〉白夜のオーバード (電撃文庫)
(2009/02)
夏海 公司

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葉桜が来た夏〈4〉ノクターン (電撃文庫)葉桜が来た夏〈4〉ノクターン (電撃文庫)
(2009/05/10)
夏海 公司

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葉桜が来た夏〈5〉オラトリオ (電撃文庫)葉桜が来た夏〈5〉オラトリオ (電撃文庫)
(2009/10/10)
夏海 公司

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『葉桜が来た夏』は、2008年4月10日~2009年10月10日まで刊行された小説。全5巻。
著者:夏海公司 絵:森井しづき レーベル:電撃文庫
賞:第14回電撃小説大賞の選考委員奨励賞

物語
200X年4月18日、突如宇宙より飛来した<十字架>は東京に向かって落ちてきた。しかし、それを阻止すべく軍は<十字架>にミサイルを叩きこみ粉砕するハズだった。だが、<十字架>は壊れることなく滋賀県の琵琶湖に墜落した。それも落ちるのではなく、着地するように……
<十字架>の中には、アポストリという地球外生命体が乗っていた。アポストリは人間を遥かに凌駕した身体能力や戦車級の耐久力を持ち、科学技術も地球よりも圧倒的に進んでいる『化物』であった。
日本政府とアポストリは戦争状態に陥った。勝敗が明白に思えたが、アポストリには致命的な弱点があった。それは『銀』だ。強靭な肉体であっても銀に対しては赤子以下まで弱体化する。
日本政府はアポストリ達に『銀の粉』を振りかけることにより、講和条約を結んだ。
――それが19年前の出来事だ。
主人公、南方学はアポストリ親善大使であり、講和条約を結ぶまでに至った英雄たる父を持ちながら、アポストリの事を憎んでいた。
彼が幼少の頃に母と妹をアポストリに殺されたからだ。父は、それさえも政治の駒にしてきた為に、学は父親さえも憎んでいた。いつか、母と妹を殺した<片腕>を殺すために――
しかし、ある日、父に呼ばれて自宅の応接室に行くと、父の他に10代後半の少女が2人がいた。
片方は<十字架>内の評議会の評議長である茉莉花。そして、金髪の少女は学の共棲者である葉桜だった。
アポストリを憎む学と、アポストリの少女の葉桜。この2人の同居生活が始まった。
近未来SFボーイ・ミーツ・ガール。

専門用語
アポストリ:上記の通り、人間を遥かに凌駕した地球外生命体。弱点は銀。全ての個体が10代後半で成長を止めてしまう。加えて、全ての個体が女性体である。特徴は赤い瞳と、例外なく美しい容姿を持っている。彼女達の生殖行動は他の生物から<吸血>することにより遺伝子情報を読み取り子を成す。生まれた子供はアポストリである。いよいよ吸血鬼に酷似した存在と言える。
十字架:アポストリ達が乗っていた宇宙船。地球の科学力を遥かに超越したモノであり、オーバーテクノロジーの塊と言える。また、当然だがアポストリの居住区としての機能を持っており、中には<春((プリマヴェーラ)><夏(エスターテ)><秋(アウトウンノ)><冬(インヴェルノ)>という氏族が存在しており、各氏族は一つの党派として機能している。
彦根居留区:十字架が琵琶湖の彦根近辺に着陸したため、旧彦根市周辺をアポストリの居住地域として限定する代わりに、同区はアポストリによる統治地域となっている。銀の持ち込みは禁止されている。
共棲:アポストリの吸血行為には発作が存在する。その発作を防ぐために、また吸血行為を合法とする為の制度。人間1人につきアポストリ1人がつく。人間は吸血行為を容認する代わりに、アポストリは絶対にその人間を守り切る義務が課せられる。その関係は義務的なものから恋人や夫婦のような関係にまで多岐に及ぶ。

補足
日本政府は彦根居留区を与えた代わりに、アポストリから技術の提供を受けており、それを独占している。政府としては、金のなる木を手放すつもりはない。しかし、アポストリとの戦争の禍根や、吸血行為などから彼女達を忌避する団体は少なくない。

登場人物
南方学
主人公の青年で、上記の通りアポストリを憎んでいる。<片腕>を殺すために喧嘩は強いのだが、実戦でアポストリに対峙した際には手も足も出なかった。
最初こそ葉桜を毛嫌いしていたのだが、1巻の事件後、徐々に親アポストリになっていく。だが、父親との折り合いは悪い。
アポストリを嫌っていた事により、彼女たちに関する知識は皆無に近いが、父親の影響なのか頭の回転は非常の早い。

葉桜
学の共棲者。年齢は17歳で、評議長の茉莉花の姪であり、母も評議員の1人だった事も影響して優等生。そして、評議員候補生である。
共棲や十字架の外には興味深々であるが、共棲者が学ということもあって、彼にはいつもイライラさせられていた。
しかし、葉桜が発作を起した際に、あの学が血を吸わせてくれたりした事や、彼の生い立ちを知り、徐々に彼に惹かれていくことになる。
やきもち焼きで中々可愛い。

南方恵吾
学の父であり、アポストリとファーストコンタクトをとった人物。親アポストリ派の筆頭で、終戦の英雄でもある。
しかし、家庭を顧みない事も多々あり、妻と娘が殺された事さえも政治に利用する非情さを見せた。
ただ、本当は不器用な男だったのかもしれない。

茉莉花
アポストリ評議会評議長。少女のように見えて、かなり歳をくっている。和装を好んでいる。
恵吾とは違い、なかなか愛嬌のある人物だが、どうしても腹黒に見えるのは私だけだろうか?
彼女はアポストリと人間の平和を訴え続け、実現にまで至らせた恵吾を尊敬している。恵吾を――その子息である学を生かす為ならば、アポストリが全滅しようが手段を厭わない。姪である葉桜に「学を守るためならば、死になさい」と言うほどだ。

感想
中古の本屋で見つけたのが、この本である。
ビニール加工されており、中身が確認できず、表紙と帯だけで判断して購入したが正解だった。
せいぜい宇宙人美少女と人間の男のボーイ・ミーツ・ガール程度(例:DearS-ピーチピット)で本を開いたのだが、政治の話を絡めた深い世界観に圧倒された。

1巻では、<片腕>とその協力者が起こした事件の物語だ。元々電撃大賞に応募された作品であり、1巻完結の物語なので<片腕>との決着がついたのにも納得できる。葉桜と学の距離が近づいたのも、なかなかニヤニヤが止まらないものだ。

2巻では、<星祭>というアポストリが話の主軸になる。舞台は居留区ではなく東京。恵吾と茉莉花の陰謀の為に、葉桜と学は東京で「仲良くやってますよ」というアピールをするのだが……
やはり、事件に巻き込まれる。この巻では十字架内の政治の話も絡んでくる。

3巻では、<白夜>と自称するアポストリ(?)が登場する。聞けば、<白夜>とは葉桜の亡くなった母の名前であり、幼い容姿をしているものの白夜の容姿をしている。加えて、アポストリと同じ遺伝子パターンを持ちながら、瞳は赤くない。葉桜と白夜の物語。

4巻では、<稻雀>という監査官が登場する。白夜の起こした事件により、葉桜は監査付きの身分になるためだ。その一方で、ある人物が死亡したニュースが世界中に駆け巡る。これにより親アポストリ派は政治の世界から駆逐され、反アポストリ組織の最過激派<水車小屋>がアポストリを駆逐するべき戦争を起こそうとする。

5巻では、<水車小屋>を止めるために、開戦準備を始める十字架を説得し、かつ72時間以内に<水車小屋>を壊滅させる必要がある。土壇場でのシーンは古典芸能であるにも関わらず熱くなるものを感じる。

総評
単純なボーイ・ミーツ・ガールでは面白くない。しかし、『葉桜が来た夏』はボーイ・ミーツ・ガールの体系をとりながら見事にストーリーが描かれている。
しかし、軽い気持ちで読むには、少々骨がいる作品であるのも事実。それだけに『選考委員奨励賞』というのは納得だ。だが、個人的には大賞や金賞受賞作品よりも、こういった作品の方が好みなのだ。
まぁ、どうこう言ったところで、葉桜が可愛いんだから、それでいいじゃん!
だって、やきもち焼きで、ある種の絶対服従ですよ? 俺のツボはこれかぁ!!と思いましたもん。
そして、同時に認識するのは、自身のドSっぷり。
いいもん! 可愛いんだから!!

葉桜が来た夏……340点
 シナリオ…80点
 キャラクター…90点
 世界観…70点
 +ドS補正…100点

<業務連絡>
採点方式が変わります。
従来:一度得点(100点満点)をつけてから、内訳得点の表示。更に作品としての魅力を追加補正。この二点による合計点。
新採点法:ゲーム、文庫により詳細は変わるが、3~4項目で得点をつけ、更に追加補正の合計が作品評価点になります。

オマケ
電撃大賞の受賞作である『葉桜の来た夏』を読んで……
別に全ての受賞作を読んだわけではないので、一概に言えないが、受賞作には物語的なノビシロを感じる。
『葉桜の来た夏』はいい例だと思える。
というのも、1巻の時点で学の目的である<片腕>との決着はついているのだ。だが、葉桜とは結ばれておらず、お互いに気になる段階で物語が終了している。更に言えば、他にも反アポストリ団体の存在は多い。
こういった、物語のノビシロを残している。
もしかしたら、技術などよりも、先を見ている物の書き方が出来る方がいいのではないだろうか?と錯覚してしまうほど見事であった。
自身の話を持ち出せば、短編ばかり書いていた影響も少なくないだろうが、物語を完全に解決してしまう傾向が強い。言いかえれば、ノビシロを全く用意していないのだ。
これが『差』なのかもしれない。
なんて事を考えさせられた作品であった。
2009-11-06

アスラクライン〈13〉~さくらさくら~ (※ネタバレ含む)

アスラクライン 13 (電撃文庫 み 3-28)アスラクライン 13 (電撃文庫 み 3-28)
(2009/11/10)
三雲 岳斗

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アスラクライン〈13〉~さくらさくら~
著:三雲岳斗 絵:和狸ナオ レーベル:電撃文庫
初版:2009年11月10日

遂に刊行された最終巻!!……最終巻?
〈12〉で遂に登場したラスボス『神』。それを倒せるのは、無限に魔力を増幅できるイングナイターを持つ魔神相剋者だけだ。
奏と契約した智春は魔神相剋者となり、塔貴也と戦い『神』に挑む。

注目点は、やはり最終決戦に向けて次々に登場するキャラクター達。まさに王道。
そして、アニメでは消されてしまった、一巡目の水無神操緒こと水無神環緒が出てきたり。
智春と奏の娘である『火蜥蜴(ペルセフォネ)』の登場。
燃える展開としては、やはり黒鐵・改が橘高秋希の二刀流を扱うシーンは素晴らしい。
さらに、今まで曖昧にされていた黒崎朱浬と黒崎紫浬の両名。
智春の知る黒崎朱浬とは、本当に紫浬なのか?
その謎も今回で明かされます。

個人的には、やはり神へ決戦を仕掛ける為に飛び立とうとする智春に、女性陣が次々にキスをするシーンじゃないかな?
アニアの祝福のキスに始まり、杏や玲子に朱浬まで。最後の最後に操緒も……
飛び出そうとする智春に杏は尋ねた。「どこに行くの?」
智春は考えた挙句、意外と短い言葉が口からこぼれた。
「奇跡を起こしに」
こういうのは、大好きですよ。燃えです。燃え。

しかし、アスラクライン、智春達の物語は、今回で終わりみたいだ。
エピローグには智春は一切登場せず、次の主人公が登場している。
個人的には分厚くなってもいいから、ここで綺麗に終わってほしかった。
うーん。しかも、一冊だけ表紙が違う事態に。
ま、13巻に関してはこれぐらいかな。
正直な所で言えば、期待はずれ。
何か僕の中にズレが出来ちゃったんだろうなぁ。


闇より暗き深淵より出でし…其は、科学の光が落とす影!
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